「サスペンダーの独り言」ホーム > アーカイブ(2008年)

2008年12月08日

泥鰌鍋

深川の高橋は、大江戸線清澄白河からすぐである。 その名のとおり、この橋は道からいちだんと高いところに架かっている。 ここいらは、下町の中でも岩崎邸や芭蕉記念館など、名所の多いところだが 高橋が架かっているのは江戸期に掘られた小名木川という運河の上である。 この高橋は「たかばし」と濁って読む。 今でも夕刻、橋のたもとにたたずんでいると、藤沢周平作品の江戸下町の情緒を彷彿させる風景が浮かび上がってくる...

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2008年11月11日

銀座のマエストロ

ときどきジャズライブに行く。 とくに、心理的にタイトな仕事が何日もつづいた土曜の夜など、 ビリビリした神経の火照りをおさめるには、酒など飲むより ピアノやベースの快いリズムに心身をゆだねるのが 私にとってはいちばんの処方である。 18歳の頃だっただろうか、 新宿の「ラセーヌ」という喫茶店(今はもうないが)に連れてゆかれ、 そこで初めて、スリーピィの名で、すでに世界的名声を得ていた松本英彦のナマ演奏...

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2008年10月14日

良寛さんの書

禅僧良寛の書のなかで、いちばん世に知られているのは 子どもたちにせがまれて大きな凧に書いたという「天上大風」であろう。 私は、残念ながらまだこの書の本物に接したことはない。 何年か前に、渋谷でかなり大掛かりな良寛の書画展が催されたので出かけてみたのであるが、これだけはレプリカというのか、実物大の複製が展示してあるだけであった。 この凧は、大人が取り上げて、庄屋さんのお宅だかにだいじに保存されてきた...

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2008年09月22日

巨匠の対決

ひとむかし前、珈琲のCMで「ちがいがわかる」という名コピーがあった。 子どもの成績表なども相対評価とか絶対評価とか種々かまびすしいが、 世の中すべからく比較によって成り立っていることは自明のことである。 かならずしも優劣ということではなく、 比べることで「ちがいがわかる」のである。 八月のことだが、上野の博物館で「対決―巨匠たちの日本美術」展を観た。 お盆休みと重なったせいで、たいそうな人出であっ...

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2008年09月03日

わたしの海

萩の海は菊ヶ浜である。 すぐ隣に越ヶ浜という大きな海浜があるが、私にとっての萩の海といえば 愛くるしいと言ってもいいほどにこじんまりとした菊ヶ浜の海辺である。 浜のすぐ左手向かいに指月山が見える。 そのてっぺんが指月城址である。 この城は一度も干戈を交えることなく、明治維新とともに取り壊された。 そういえば「そうせい候」と言われた藩主毛利敬親候は、この城が壊されたあとどこに住まわれたものであろう。...

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