「サスペンダーの独り言」ホーム > アーカイブ(2009年)

2009年08月19日

伊予人の景色

もう三年ほども前になるだろうか、連休の合間に、伊予松山の道後温泉に遊んだことがある。私は生来気管支が弱いので、埃っぽい温泉宿が苦手なのだが、さいわいこの旅では大事にいたらずにすんだ。 松山は、大学時代の友人をふくめて、知己が多い。しかしどういうものか、それまで機会に恵まれず実はそのときが初めての訪問だった。 坊っちゃん電車という可愛い乗り物が道後温泉まで走っていて、その温泉にはまた、坊っちゃん...

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2009年08月10日

芙蓉の精

暦の上では、まだ夏なんだろうがすでに秋の気配がしのびよってきている。 今年は、庭の芙蓉の花がいちだんと鮮やかだ。わが家の芙蓉は白色ではなく淡紅色なのである。 旧制第一高等学校の寮歌「ああ玉杯に花うけて」のなかに「芙蓉の雪の精をとり...」というフレーズがある。私は幼いころ、この芙蓉というのはてっきり花だと思っていた。 白ばかりでなくピンクの花もあるわけだから「雪の精」というのはオカシイのではないか...

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2009年06月02日

「つもり」の文化

隠岐島をたずねたことがある。後醍醐天皇が流されたところで、そのドラマティックな生涯はテレビドラマなどでもよくとりあげられる。そうした貴人にかかわる歴史が多彩なせいか、この島は相撲が盛んである。ここで行われる相撲の中で有名なのは神様との相撲である。その年の稲の実りを占うために、力士に扮した男が神様と三番勝負を行う。土俵の上で、ひとりで神様と組み合うのである。 現代風に言えば「エア相撲」とでも言うのだ...

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2009年05月14日

ガンバ

ガンバと言ったってサッカーチームのことではない。楽器の話である。 ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器をご存知だろうか。チェンバロなどと同じように、バロック時代に奏でられた古楽器である。チェロやコントラバスに似た大きな弦楽器だが、もっと静かで風雅な響きを持っている。 私の古い友人で、これを現代に復活させて、仲間のグループと古楽器の演奏を楽しんでいる人たちがいる。彼らのあいだではヴィオラ・ダ・ガンバなどと...

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2009年04月21日

いちはつの花

ときどき根岸の子規庵を訪れる。 子規が晩年をすごした小さな平屋建ては今も保存会の人たちの手でたいせつに守られている。幸い、というべきかどうなのか、当時のままに残っている造作(ぞうさく)はほとんどないとのことで、この種の記念館としては珍しく畳敷きの中まで入って、へちまの庭に縁側から降りたりすることができる。 子規が動けなくなってからも眺めていたという庭を座敷からみていると、この狭い部屋を宇宙として、...

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