「サスペンダーの独り言」ホーム > アーカイブ(2010年)

2010年12月21日

魔笛(または夜の女王のアリア)

師走に入ってまもない土曜の夕べ、上野の文化会館の大ホールでワルシャワ歌劇団のオペラ「魔笛」を観た。去年の冬、このポーランド国立歌劇団の「ドン・ジョバンニ」を観たのだが、これが意外なほど素晴らしかったので、今度も同じモーツアルトを聴く気になったのである。 若い頃、小林秀雄の一連の「モオツアルト」の著作に入れ込んだせいで、ずいぶんこれらのオペラレコードを聴き込んだものだ。私の「魔笛」のレコードはLP盤...

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2010年12月15日

土竜の冬構え

今朝起きてみたら、庭の真ん中に大きな土の山が3つもできていた。直径50センチ、高さ30センチほどもある土饅頭がポコポコ並んでいるのである。はじめてお目にかかる奇観に息を呑んでいると、「モグラが大活躍ね」と家人はこともなげに言う。 なるほどモグラであったか。聞けば、いつもは樹木の根方あたりを掘りかえしているので気づかなかっただけなんだそうだ。それにしても芝生のど真ん中にこれだけの丘陵を築くのはなまな...

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2010年11月30日

共通の感覚

私の卒業した高校の校長というのが、よくよく俳句が好きであったらしく朝礼の折りにはしばしば自作を披露してくれていた。残念ながら、せっかくの作品をほとんど覚えていないのだが大学受験の直前に聞いた、 「駅長の手袋白し 夜汽車発つ」 という一句だけは、今も不思議によく記憶している。田舎から蒸気機関車に引っ張られた汽車で長躯上京しようとしている少年の心に、なにか強く響くものがあったのであろう。 この先生は、...

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2010年10月28日

モズの俎板(まないた)

裏庭の銀杏の樹を根元から5メートルばかり残して伐り倒したのがおよそ5年前のことである。ずいぶん前に知り合いから10センチほどの苗木をもらって植えたのがいつのまにやら15メートル以上の亭々たる大木となった。 公暁が隠れていて斬りつけてくるほどではないにしてもまさに近隣を圧するような威容を呈するようになった。ただ困るのはその黄葉が周囲に散り敷いてわが家ばかりかお隣の庭の側溝や樋を詰まらせてしまうことで...

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2010年09月30日

表現について

朝出かけるときに玄関の扉の脇にある呼び釦の窪みの上に、ごくごくちっちゃな、あまがえるが鎮座していた。よく見かける雨蛙の標準的な体型からするとずいぶんと小さい。きっと子どもなのだろうと思っていたらあれで十分おとななんだという。今年の異常気象で、餌となる虫たちが繁殖しにくかったせいか、蛙も自分の身を縮めて種の防衛をはかっているものらしい。もっとも、これは家人のもっともらしい口調での言説であるからあまり...

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