2011年06月02日
フクシマに!
先日、久しぶりに全出版人大会に出席した。今年で50回目を迎えるのだそうだが、昔にくらべるとずいぶんと盛況であった。ニューオータニのいちばん広いといわれる会場でそここにウイスキーやウーロン茶の水割りグラスをかかえている旧知の人々に話しかけられて、ひどく懐かしかった。 若い頃には、偉い方たちの代理でよくこうしたセレモニーに出席させられたものだが、いつだって心楽しんだことはない。たいていはひどく気詰まり...
2011年05月17日
五月の朝に
もう沖縄では入梅だそうだが、この時期の東京の空は晴れても降ってもあくまでさわやかである。 あざやかな空に聳え立つ東京タワーは、てっぺんのアンテナが先の大震災によって「く」の字に曲げられたままだ。曲がったままでも機能に影響はないのだろうか。影響がないのだとしても、あれが目に入るたびに、あの日のことをいやでも思い出してしまう。そう、まざまざと思い出してしまうのだ。テレビの報道などと違い、アンテナ一本で...
2011年04月05日
春は沈黙するのか
これほどの大災害で、これほどの行方不明者を出しながら、テレビに映し出された災害現場の方々は冷静沈着である。血縁の方や知人を一瞬の地震と津波で失って、涙しつつ嗚咽しつつ、しかし淡々と状況を語る「知性」に感銘を受けるのは私だけであろうか。「怒りにまかせて絶叫することもない、泣き叫ぶこともない、静かで冷静な態度は民族性なのであろうか。感動的である」と報じた英紙ガーディアンの報道を聞いて、同じ国の民として...
2011年03月28日
大震災の日に
2011年3月11日午後2時46分六階の窓から見える東京タワーが、大きくゆさゆさ揺れている。増上寺の手前にある、芝公園グランドのナイター照明のための巨大な鉄柱が、まるで飴細工かなんかのように、ぐにゃりぐにゃりと右に左に折れ曲がって揺れている。高速道路を覆っている橋桁が、大きくねじれながらポコンポコンと波打っている。正体不明の生き物のようだ。何よりもまず立っていられない。重いロッカーがバタンバタンと...
2011年03月10日
丹波篠山
丹波ワイン(TAMBA WINE)は、日本人がつくったワインとしては初めて欧州のモンデセレクションでグランプリに輝いたワインである。しかもそこから6年連続のグランプリという快挙であった。某都市銀行の社内報に、5ページにわたって特集が組まれていたこともある。つまりTAMBA WINEは国際的優良企業なのである。 京の都から北東にむけて走れば百キロに満たないこの盆地は物なりもよく、山奥でありながら実に...