「サスペンダーの独り言」ホーム

2010年07月15日

古代のロマン

わが家の子どもたちが通った古い小学校の石門の前に小さな公園がある。その池では、ツガイのマガモがいつものんびり泳いでいる。 ここにはまた、古代ハスとして知られるあの大賀ハスが株分けされていて、この時期になると、毎朝その開花をみることができる。大ぶりの花弁の半分ほどが薄紅色に染まっており、池面に浮かぶ花の貌はおぼろに幽玄である。蓮華、というが、たしかに花と書くよりも華という文字で表わすのに相応しい姿だ...

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2010年06月24日

梅の実に鶯

紫陽花が刻々と表情を変える季節となった。今年は庭の梅の樹がそこそこに実をつけてくれているようである。 昨年は、この樹たちが二本ともまるで疲れきったように実をつけなかった。花のほうはかなり盛んだったのに、である。樹木を長いこと観察している友人の話ではこれは生物としての個体維持反応の一種であって、長いこと梅の樹と付き合っていくにはこの「お休み」は、むしろ慶賀すべきことなんだという。実際にはどうなんだか...

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2010年06月17日

奪われぬもの

梅雨入り前のからりと晴れ上がった日曜日、逗子まで旅して久しぶりに母親に会ってきた。久しぶりに、と書いたように実に親不孝な私は息子なのである。 若い時分に苦労の絶えなかった母は、兄夫婦のもとでまことに平和で安穏な余生を送っている。百六歳を迎えたいまも、矍鑠(かくしゃく)、と言ったら言いすぎだがまことに壮健なのである。 母親の見舞いのあと、近くの葉山マリーナでお洒落な山海の珍味を堪能させていただいた。...

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2010年05月06日

オノマトペ

初夏の到来をつげるにふさわしいのはヨシキリのあの鋭い叫び声である。 ヨシキリにはオオヨシキリとコヨシキリがあって鳴声も姿もはっきりと違うんだそうだが、いつも私が聞いているのはどっちなんだろう。 ヒバリのように飛びながら鳴く鳥とちがって藪の一ヶ所だけからあの鋭い独特の鳴き声が聞えてくる。鍛え上げた踊りのお師匠さんのように姿勢をピタッときめて唄っているのだろうか。 ヨシキリというのはおそらく「葦切り」...

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2010年04月26日

灯篭寄席(とうろうよせ)

「東海道中膝栗毛」は江戸期を代表する作品だが、「木下街道膝栗毛」というのをご存知だろうか。私はこの復刻版とおぼしきものを地元の小さな書店で見つけたのだが、後世にまったく名が残ってないところをみればあまり売れはしなかったのであろう。おそらく「東海道...」で爆発的に当てた版元が、何匹目かのドジョウをあてこんでむりやり発刊したものではないか。いつの世も出版社の考えることは同じである。 木下街道の終点で...

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