「サスペンダーの独り言」ホーム

2010年03月19日

伊予みずき

彼岸を過ぎて伊予みずきの、黄色い小さな花がいま満開である。満開といっても、あでやかな紅白の梅花や出番を待ち受けている桜の花たちとちがってこちらはまことに可憐で愛くるしい。いのちの息吹を強烈に自己主張するというのではなくどこかはかなげでありながら、くっきりとしたつよさを内面に秘めた美しさである。庭を舞台とするならば椿や梅、桜といった、主役になる花木ではないが、そこにひっそりと咲いている姿を眺めている...

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2010年02月05日

画仙の棲む庭

倉敷の大原美術館で、熊谷守一の「陽の死んだ日」をみたときの衝撃を私は今も忘れない。 12号ほどの小さな油彩なのだが、はじめてこの絵をみたとき、そこに何が描かれているのか実はよくわからなかった。まるで老練な画家の愛用のパレットのようでもあり、絵具がつむぎだす文様ふうの抽象画のようにもみえた。 画面を凝視しているうちに、突然ふっと童子の顔がカンバスの真ん中から浮かび上がってきたのである。そこでは絵その...

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2010年01月28日

新春頌

うれしいことに今年も蝋梅が咲き始めている。寒気が深沈と迫るなかでこのちいさな花芽のほころぶ姿をみると身のうちをどこやらくすぐったいような幸せが駆けめぐる。気難しい植物と聞いていたが、存外わたしと相性がいいのかもしれない。 小鳥のための水場を支えていた鉄骨が、グズグズになるほど錆びついて傷んでしまった。とても蹲(つくばい)の用をなさなくなったので取り片付けて、新しい水場を作った。 家人の話だと今年は...

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2009年12月09日

小さい秋...

今の季節、行き帰りにみる露を含んだ紅葉の中でも、ひときわ目立つのは、はぜの木である。わが家の庭の満天星(どうだん)もこのはぜの木の鮮やかな深紅にはかなわない。 だいぶ前に、仕事の帰りに根津の権現様をお参りしたあと何気なくぶらぶら歩いていたら、偶然にサトウハチローの旧邸を発見してちょっと感激した覚えがある。フェンス越しに眺めることのできる小ぶりな邸宅と庭は昭和の混沌のなかにあっても純粋な魂を失うこと...

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2009年11月18日

益子の秋

美術品の鑑賞眼などまったくないが、どういうものか私は、子どものときから陶磁器をながめることだけは好きだったようだ。 濱田庄司やバーナード・リーチなどのコレクション展示会の切符をいただいたので出かけてみた。秋は、民芸陶器や古美術などを各地で贅沢に観賞できる季節でもある。 濱田庄司といえば、よほど以前のこの時季に益子を訪れたことを思い出す。益子にいくには、取手から関東鉄道で下館にいき、そこから真岡線を...

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