第四八回 リーズナブルな笹塚のオアシス <スナックA・T>
都心なのに、どこか昔懐かしい風情が漂う笹塚商店街を抜け、水道道路に面した住宅街に店を構える<スナックA・T>。急な傾斜地に建つ2階建ての住宅の、1階が民家、通りに面した2階が店舗という変則的な立地条件。しかも壁面いっぱいに描かれたポップなペインティングだけ見ていると、なんだか若者向けのバーか古着屋みたいな感じがするけれど、いざ入店してみると、内部はしっとりしたオトナのスナック。レンガ・プリントの壁紙に、クラシックな壁面装飾、おまけに鳩時計まであって(うるさいので鳴かないようにしてるそうですが)、外観とのギャップに驚いてしまう。
うちみたいな普通の店、取材してもらっても・・・顔出すのヤだし・・・と遠慮のかたまりのような、やさしい美人ママさんがひとりで切り盛りするA・Tは、スナックの少ないこのエリアの住人にとって、オアシスみたいな店。さらにお値段のほうも、男と女、ふたりで行って、ボトル入れても7000円ほど。で、ボトルさえ入ってれば、ふたりで3000円(!)、超リーズナブル。こんな値段でやっていけるのかと心配になる、大事にキープしておきたいお店でありました。 <あかねママとの一問一答>

ママ ほんとに、うちなんかでいいの? だって、うちは万人受けする店じゃないんですから。万人受けする店だったら、駅前でやって、大繁盛なんですが(笑)。
都築 でも、このへんに住んでる方だったら、こういうお店があるのはうれしいですよね。
ママ だからご近所の方が多いですよね。あとはもともと笹塚にいた方が、引っ越してから、たまに来てくれたりとか。
都築 それはいいですねえ。しかし先ほどから気になってるんですが、壁にかかってる鳩時計、渋いですね~。
ママ でも、音は鳴らないようにしてあるんですよ。みんな見ちゃいませんしね。私のためにあるんです(笑)。
都築 ママさんが時間を確認するために?
ママ そう。うちは1時までなんで。
都築 1時にみんな帰ります?
ママ 帰します(笑)。よほど遅くにいらして、よく知ってる方だったら2時や3時くらいまでやるときも若干ありますけど、基本的には1時が定着しちゃってるんで。
都築 やっぱり、お客さんが来るのが遅めなんですか、こちらは。
ママ 日によりますかねえ、早いときは開けてすぐに入るときもあれば、23時~0時くらいになってってときもあるし。このへんは、ぜんぜん読めませんよ(笑)。
都築 いまどきは、ご飯食べてから2軒目に来る方が多いでしょうしね。
ママ だいたいそうですよね。それで歌いたいとか、家の近くだから帰りにちょっと寄って帰る、みたいな感じですね。
都築 「A・T」って、スナックの名前にしては不思議ですよね。
ママ よく言われるんですけど、たいして深い意味はないんですよ。
イニシャルみたいなもので、好きなように考えてっもらってるんです。"A"はあたしのイニシャル、"T"のほうは、もっと通ったら、教えてあげる(笑)。
都築 そうか・・・。教えてもらえないお客さんたちは、なんて言ってるんですか。
ママ なんだっけかな、オートメーションなんとかの略じゃないかとか、Tはつよしじゃないかとか(笑)。でも、つよしっていうお客さんはひとりもいないんですよ(笑)。
都築 みんな適当ですね~(笑)。
ママ そうですよ~、やってる人間が適当ですからね。でも、変な名前のおかげで、なんだろうってだまされて入ってくる方もいますよ。
都築 スナックっぽくない名前が、かえって入りやすいのかもしれないですね。
ママ そうですね~。でも女の子がいると思って入ってきた方は、がっかりするみたいですよ。ここは私ひとりでやってるから。
都築 笹塚はスナックって多いんですか。
ママ 少ないですね。駅の半径100メートルくらいには、ちょっとあるけれど。
都築 じゃあ、貴重な存在じゃないですか! ママさんのお店は、けっこう長いんですか。
ママ いえいえ、2000年に始めたので、今年で9年ですね。
都築 じゃあ、来年10周年?!
ママ そうですね、それまでもつかどうか(笑)、ウフフフフ。
都築 絶対、大丈夫ですよ! でも、お店の造りもすごく不思議ですけど、ここって前から飲む場所だったんですか。
ママ そうです、ここはもともとスナックで、前にお店やってた方は、すっごく長かったんですよ。30年ぐらいやってたみたいで、「ニューヒリピン」っていうお店。
都築 ニューフィリピン?
ママ フィじゃないですよ、ヒ!
都築 ヒリピン?! えーーーっ! なんだか惹かれる感じですねえ。
ママ だから名前は有名だったらしんですよね、ここらへんでは。
都築 そこ、フィリピンパブじゃないんですよね。
ママ まったく違う、日本人がやってるお店。最初はマスターさんがやってて、そのあとママさんが3人ぐらい替わったのかな、それで合計30年ぐらいやってたお店なんですよ。
都築 ママさんは、ほかのお店もやってたんですか。
ママ 自分でやったのは、ここが初めてですよ。それまで、バイトって感じではちょこちょこ。でも、昼間のふつうの仕事もしてましたよ。バイトをいくつか掛け持ちしてやってて、って感じでしたね。
都築 お店経験は、けっこうあったんですか。
ママ そうですね、ほとんどスナックですけど。スナック好きなので(笑)。個人的に呑みにいくのも、ほとんどスナック。
都築 だって、お酒めちゃくちゃ強そうだもんね。
ママ 強くはないですけど、好きなんです。だから、やるならスナックがいいかなと思ってて。
都築 じゃあ、自分のお店を持とうと思って、探してたんですか。
ママ いえ、まったく(笑)! 一回も思ったことないんです。ただ16年前ぐらいに、幡ヶ谷のお店で働いてたことがあるんですね。それで、辞めてからも家が近くだったので、よく呑みに行っていていて、まぁその流れですね(笑)。 ふふふ。
都築 なんですか、その意味深な感じ・・・。
ママ 迷ったっていうか、やる気がなかったので。生活の糧にはバイトでやったことありましたけど、本業でやる気はまったくなかったんです。
都築 じゃあ、すごい決断だったんですね。
ママ 決断っていうか、他に道がなかった・・・。そのときもう、30歳過ぎてましたし、1回結婚して離婚したので、結婚する気もなかったし、ずっとバイト生活っていうのも大変だなって思って。だったらやろうかなって(笑)。
都築 ママさんはお生まれがこのあたりだったんですか。
ママ いえ、実家は大塚なんです。でも高校を出てすぐにお勤めして、1年ぐらいで実家は出ちゃいました。
都築 やっぱりひとり暮らし、したかったんですか。
ママ したかったですねえ。昔から酒呑みなので、家にいると、いろいろと言われるのが・・(笑)。
都築 えーーっ(笑)! 聞き流しそうになりましたが、当時ってまだ10代ですよね~! もう時効だとは、思いますが(笑)。
ママ うっかり喋っちゃいました(笑)。だから、呑みに行って帰りが遅くなると、両親も怒りますよね。
都築 そんなに呑みに行ってたんですか。
ママ たまにですよ、気晴らしに・・。
都築 気晴らしって、10代でなんの気晴らしするんですか!
ママ なんですかねえ・・・(笑)。でもほら、好奇心が旺盛なころでしたから。
都築 そのころって、どのあたりに遊びにいってたんですか。やっぱりお近くだから池袋?
ママ 池袋はあんまり行ってないですね。近場では遊びたくなかったから、ほとんど新宿か渋谷ですね。
都築 でも女の子だし、親御さんは心配しますよ! 高校を出て、どんなお仕事されたんですか。

ママ デパートです。
都築 デパート! すごく似合いそうですよね。
ママ 好きでしたね(笑)。結局5年働いてました。
都築 じゃあ、好きな仕事をして、ひとり暮らしをして、楽しかったでしょー!
ママ 楽しかったですねぇ(笑)。でも百貨店って、給料が安いんですよ。特に私が働いてた百貨店はずば抜けて低くて、特に高卒は・・・。いまはもう変わったと思いますけど、当時は規律も厳しくて、出勤する際もジーンズはNGなんですよ。なぜかっていうと、社員通用口に入るまでに、お客様にどういう角度で見られてるかわからないからって(笑)。
都築 そんなの、あったんだ! ちなみにどこですか、そのデパート(笑)?
ママ すごく老舗の百貨店で、頭文字がMのやつ・・・。
都築 ああ、あそこか! でもママさんは5年間、デパートでなにを売ってらしたんですか。
ママ 家具です。家具売り場に行きたくて、デパートに入ったんです。
都築 じゃあ、インテリアデザインとか、そういうのが好きだったの?
ママ デザインっていうか、家具が好きだったんです。家具をいろいろと見てるのが好きで、すんなり希望を聞いていただいて、配属されたんです。
都築 家具売り場は、あんまり人気の部署じゃなかったんですか。
ママ 女の子には人気なかったですね。女の子はだいたい、私の時期の一番人気は、スポーツ用品売り場。そこは比較的、社員が若いんですよね。だから話が合ったりとか、スポーツが好きなひとは、いち早くニューモデルをいろいろと目にすることもできるので。それに上下関係もあんまり厳しくなかった、いじめもないし。
都築 職場によって、そんなに違うんですか。
ママ 違いますねえ。呉服売り場や食品売り場なんて、悲惨でしたよ・・・。
都築 食品売り場は大変だって、僕も聞きます。パートやテナントのおばちゃんたちを管理するのが大変だって。男子社員なんかよく、ノイローゼになるっていいますよね・・。家具売り場は大丈夫だったんですか。
ママ 最初こそは厳しかったですけど、基本的に、女性より男性社員が多かったので、そこまでの陰湿なものはなかったですね。約1名いたぐらいで(笑)。
都築 そうなの?! 陰湿な上司?
ママ ウフフフ。なんだかお約束というか、毎年の恒例行事みたいな感じで、新人いびりってのがあるんですよね(笑)。まあ、関所みたいなもので、そこを突破しないとみたいなね(笑)。
都築 いまだったら、みんな辞めちゃいそうだね・・・。
ママ そうですねえ、けっこう辞めた子も多かったですよ、研修期間中に。
都築 でもママさんって、そういう、あれやれこうやれとか、団体生活とか、すごく嫌いなタイプでしょ。
ママ 大っ嫌いですね(笑)。規律を守るのは好きなんですよ、あんまり曲がったこと好きじゃないので。
都築 お店も1時でちゃんと終わるしね(笑)。
ママ そうそう(笑)。ただやっぱり、先輩たちが正しく教えてくれることは、もちろん守ろうとしますけど、理不尽なことは納得できないので、それは多少反発したりとか(笑)。
都築 やっぱり! だって、いじめに負けなそうな感じするもん。
ママ そうですね、途中でいじめがいがなくなったんでしょうね(笑)。でも、ちゃんとしてる方は、きちんと評価してくれたので、そういう意味ではよかったですね。
都築 そういうひとがいると救いですよね。
ママ だから5年できたんだと思いますね。先輩方には恵まれたので。
都築 じゃあ、ママさんにとって5年っていうのは、意外と長く続いたって感じですか。
ママ ほんとうはもっとやりたかったんですけど、職業病というか、そのときに椎間板ヘルニアを患いまして・・・。ハードなんですよ、家具売り場って。肉体労働! 納品されてきた、大きいものは男性に任せますけど、そこそこの小さいものは女の子もやらないといけないので、梱包したり配車したり。そんなので腰は酷使しましたね。それで椎間板ヘルニアをやっちゃって、さすがに辛くなっちゃって。休ませていただいたりもしたんですけど、このまま続けていくのもどうかなと思って、思い切って資格でも取ろうかななんて!
都築 また、意外な展開が・・・。
ママ それで、学校に通うのにバイトを掛け持ちして。
都築 じゃあ、学費のために働いてたんだ。そのころですか、スナックで働いてたのは。
ママ やりましたね。夜はいちばん収入がよかったですからね。学校が週に2~3回だったので、その間に学費と生活費を稼ぐために。
都築 ヘルニアは大丈夫だったんですか。
ママ いちおう、いちばん辛いときにそれなりに治療をしてもらって、予防法も学んでいて。だって、なにもしないと生活していけないじゃないですか(笑)。比較的いいお医者さんに、最初あたったのもよかったですね。
都築 じゃあそのときは、夜はスナックでも働き、昼間はほかのところで働きって感じですよね、それもけっこう忙しいじゃないですか。
ママ まあ、若かったので(笑)!
都築 そっか! まだ23~4歳ぐらいですもんね、それは元気いっぱいですねえ。
ママ そうです、元気いっぱい(笑)!
都築 それで、資格はお取りになったんですか。
ママ 2級を取って、1級どうしようかなっていうときに、たまたまアルバイトしてたひとつのところの方に、補正下着屋さんの会社に誘われまして(笑)。
都築 お~~~、あの、すごい高いやつね!
ママ そうです、その営業を始めることになったんです。
都築 また、ぜんぜん違うお仕事じゃないですか(笑)。そうやって違う職場に飛び込むのが、お好きなんですかね。
ママ う~ん、なんですかね。そのときは面白そうだと思って。
都築 でも補正下着って、すごく高いんでしょ?
ママ いいものばっかり、全身揃えると100万ぐらいですね。
都築 た・・・、高いですねえ・・・。
ママ ね、ぼったくりですよね(笑)!
都築 でも、ちゃんと補正されるんでしょ。
ママ そうですね。ただ続けないとダメなものなので。なんでもそうですけどね(笑)。
都築 ママさん営業上手っぽいから、すごく売れたんじゃない?
ママ そうですね、嘘つきですから(笑)。そういうの大得意なんで、アハハハハハハ。
都築 そのお仕事は、どのくらい続けられたんですか。
ママ 1年ぐらいですね。
都築 でも多彩な職歴じゃないですか。しかも、それでもまだ24~5歳ぐらいですよね。
ママ そうですね、そのあとはまた、アルバイトを掛け持ち生活に戻りましたね。
都築 ご結婚されたのも、その当時ですか。
ママ そうですね、補正下着の会社を辞めるか辞めないかぐらいのときに知り合って、ですね。たぶん。
都築 やっぱり、ひとりのほうが結局よかったんですか。
ママ 私はたぶん、結婚が合わなかったんだと思います。
都築 共同生活がですか。
ママ 苦手ですねえ・・・(笑)。彼のことは私からアプローチしたくらい好きで、彼も真面目で芯もあって、性格もいいし、人受けもいいし、経済観念もしっかりしてるし、悪いところなにもないようなひとだったんだけど・・。
都築 ママさんのいうことも、よく聞いてくれそうじゃない。
ママ 喧嘩したこともなかったですからね(笑)。でも結婚生活を続けていくと、彼がかわいそうだなあと思ったんです。子供も生まないし、ずっと家庭におさまって専業主婦にもならないし、それじゃあかわいそうかなっていうのと、彼は家で待っててくれて、全部やってくれるひとが理想みたいな感じだったので。
都築 ママさんのほうから身を引いた、という感じですかねえ。
ママ 身を引いたっていうか、そこまできれいじゃないですけどね(笑)。
都築 なるべくきれいに言おうとしてるのにっ(笑)!
ママ 私もちょっと、ひとりになりたかったんですかねえ。
都築 結婚中もママさんは、お仕事されてたんですよね。
ママ 最初は専業主婦をしてたんですけど、でも我慢できなくて(笑)。お願いしてお勤めに出してもらったんです。
都築 やっぱり一日中、家の中にいるのがいやだったんですかね。
ママ 家にいてもやることはあるんで、専業主婦がいやだというわけじゃなかったんですけど、ただ変化がほとんどないでしょ。だから、いままでやってきたことを全部やるかわりに、勤めに出してほしいといってから、少しずつ変わってたのかもしれないですね。
都築 女のひとから別れようって言われたら、男はどうしようもないですもんね。引き止めようがないもんねえ・・。
ママ しかも、理由らしい理由もないし!
都築 もう、その彼、ショックのあまり、男に走っちゃってるかもしれないですよ! そうやって、あっちの世界にいったひと多いみたいだから(笑)。
ママ 確かに、男の人の受けがいいひとだったから。まあ、それはそれで新しい人生ですね(笑)。
都築 あはは。じゃあそれでまた、ひとりに戻られて、アルバイト生活を始めたんだ。
ママ そうですね、それで幡ヶ谷のスナックとか、いろいろなところもやるようになって。
都築 だいたい、このあたりのエリアだったんですか。
ママ いやいや、このへんは幡ヶ谷が初めてです。その前は赤坂とか新宿とか、ちょっと離れたところだったので。
都築 やっぱり、スナックで働くのがお好きだったんですか。普通だったら、クラブとか、同じ時間でもうすこし給料いいところいろいろありますよね。ママさん、ルックスからしてもクラブとか似合いそうだし。
ママ そうですね、やっぱりお客さんとの距離感みたいなものが、なんとなくクラブとかキャバクラとは違って、好きですね。あんまり気取ったことが好きじゃないんで。気楽にっていうのは変ですけど、着飾ったり装ったりしなくてもすむようなお店が、スナックなのかなって。
都築 じゃあ、お客さんとして呑みに行ったりもするんですか。
ママ 行きましたねえ。
都築 だって、ママさんぐらい若いお客さんなんて、珍しいでしょ。店ではめちゃモテだったんじゃないですか。
ママ う~ん、めちゃモテというか、だいたい性根がオヤジなので、モテるのは最初の2回ぐらいですよ(笑)。そのうち本性が・・・。
都築 でも、だからオヤジたちも気楽に、一緒に呑めるのかもしれないですね。だから、このお店も10年続いたんですよ!
ママ ほんと、びっくりですよね。
都築 ここを始めてからは、あっという間って感じですか。
ママ そうですねえ。最初はほんとにひまだったので、従業員の給料も払えないぐらいだったんですけど。
都築 女の子つかってるときも、あったんですね。
ママ 最初はふたり入れて、順番に入れかわり立ちかわりで。
都築 ニューヒリピン時代のお客さんも、いらっしゃったんですか。
ママ いまはいないですねえ。最初のころは様子見で、何人か来てましたけど。
都築 じゃあ、ほんとにゼロからの開拓って感じだったんだ。
ママ ゼロからってわけではないんですが、幡ヶ谷のお客さんは近すぎるので、そこのお客さんはノータッチで。前に働いてた新宿とかで比較的愛称のいいお客さんに声かけて、すこしずつ口コミで広がって。
都築 でもターミナル駅じゃないから、なかなか近くに住んでないと通いにくいですよね。
ママ いまとなっては、近くの方に来ていただけますけど、最初のうちは、前のお客さんのつながりが大きかったですね。あとは近所のおでん屋さん。このあたりでいちばん古いお店だったので、ここをやるときに挨拶に行ったら、じゃあお客さん紹介するわっていって、ママがいろんな方を紹介してくれて。そちらがいまは焼き鳥も始めたので、いまはここで飲みながらオーダーできるんですよ。届けてもらうんじゃなくて、取りに行くんだけど・・・お客さんが(笑)。
都築 そうなんですか! でも、このあたりで気軽に呑んで歌えるお店なんて、他にないんじゃないですか。
ママ そうですねえ。歌えるのはここぐらいしかないですね。
都築 じゃあ、お客さんも歌めあての方が多いんですか。
ママ 歌めあてもそうですし、あとは、まだやってるかなっていう様子うかがい(笑)。
都築 じゃなくて、それはママさんのファンってことでしょ!
ママ まあ、ばか話をして呑みたいなってときでしょうね(笑)。
都築 お客さんの年齢層は、どんな感じですか。
ママ 30代から、上が70半ばぐらいですかね。元気ですよ~!
都築 ちゃんと呑めるんだ。
ママ けっこう年齢がいってる方は、ご自身でご商売されてる方だから、現役ですよ(笑)! サラリーマンの方は、40代50代の方が多いですね。
都築 男性がほとんどですか。
ママ そうですね、7割男性、3割女性ですね。
都築 3割も女性いるんですか!
ママ このへんの女性は、呑んべえが多いみたいでね(笑)。みんな呑みますよ!
都築 変に女の子を置いてないから、女性も来やすいんでしょうね。
ママ そうですね、前に女の子がいたときは、女性のお客さんは皆無でしたね。
都築 ママさんとしては、女性のお客さんが増えるのは、うれしいんじゃないですか。
ママ そうですね! それに女の子がいないから、来てくれる女性の方が、今日のホステスさんをしてくれるので、私はいっさい仕事しないんです(笑)。
都築 な、なにそれ・・・(笑)!
ママ カラオケも自分で入れてもらうし、基本的にはお酒も自分たちで作ってもらうし・・。
都築 じゃあ、ママさんなにしてるんですか!
ママ たまに氷出したり、水出したり・・。それでたまに、カウンターに座ってるひとにお酌したり・・・(笑)。
都築 お客さんの自主性にまかせるって感じだ。でもそれで、うまく回ってるんだもんね。
ママ そうですね(笑)。
都築 いまでも、オフはお酒呑んでますか。
ママ いまは無理ですね。次の日の仕事に差し支えます!
都築 そんなに呑んじゃうんですか(笑)。
ママ それに猫がいるので、お腹をすかせてにゃーにゃー鳴いてる声が、どこからか聞こえてくるんですよ。
都築 猫がいるから帰るんだ!
ママ そう。だから猫がいなかったら、とんでもないことになってましたよ、ほんとうに。1時にきっちり閉めるのも、それがあるからですよね。
都築 猫のおかげだ!
ママ みなさまも、それがわかってるので・・・(笑)。
都築 もう、お酒がやめられない女の子は、みんな猫を飼うといいね(笑)。
ママ ほんと、おすすめします。
都築 最後に、インテリアのことを知りたいんですが、このお店の雰囲気はぜんぶ、ママさんのご趣味なんですか。
ママ いえいえ。このレンガの壁紙はお世話になったママさんのアドバイスで。
都築 いや、ひさしぶりにレンガ柄なんて見ましたよ(笑)
ママ けっこう評判いいんですよね。
都築 だって、めちゃくちゃ落ち着きますもんね。
ママ だからママに言われたことを通してよかったなと思って。
都築 でも、レンガまではわかりましたが、この壁にかけてあるライオンの飾り・・・、これはいったい・・。
ママ これは前のお店のヒリピンさんの遺物なんですけど、どうしようかなと思って、捨てるのももったいないので残したんです。
都築 めちゃかっこいいじゃないですか!! じゃあ、左右の渋い照明もそうなんですか。
ママ そうですね、このカウンターの土台ももとのままだし、ソファーやテーブルも前のままなんです。
都築 その鳩時計も、もしかして・・・。
ママ これはオープンのお祝いにいただいたんですけど、あまりにもうるさいので、いまは鳴らないようにしてるんです。
都築 またなかなか思いつかないものを下さるかたも、いらっしゃるんですねえ。
ママ でもレンガにも合うし、ちょうどいいかなと。
都築 そう言われると、レンガでほんとに良かったのかもね。
ママ ほんっと、大正解でしたね(笑)。
<♪ママの1曲> 「パールカラーにゆられて」山口百恵

今週ご紹介したお店は 『A・T』
(住所)東京都渋谷区笹塚3丁目28−5
(電話)03-5388-9511
(OPEN)20:00〜翌1:00
<編集部より>
この連載で取材をさせてくださる、東京のスナックさんを募集しています。
ご自身のお店や行きつけのお店など、ぜひ都築さんに取材に来てほしいという方は、こちらから「スナック取材希望」とご記入の上メールをお送りください! どうぞよろしくお願い致します。
この連載は毎週水曜日の更新です
内容は、主に更新やプレゼント情報などのお知らせになります。
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