第一回 チームを長期的に強くする方法はドラフトしかない
プロ野球を強くするには幾つかの方法がある。
主要なものでは、①有能な監督を招聘する、②(契約年数が切れれば獲得に障害のない)日本でプレーする外国人選手を獲得する、③FA権を取得した日本人プレーヤーを獲得する、④トレードで有能な選手を獲得する、そして、⑤ドラフト会議を活用して有力選手を獲得する、の5つだ。
②は日本でプレーする外国人選手は移籍先での寿命が長くないので、長期的な強化には向かない。また、③はFA権を取得した日本人選手は国内球団よりメジャーリーグに目を向ける傾向にあり、さらに全盛期を前球団で過ごしていることが多いので、これも長期的な補強策とは言えない。④のトレードは冒険心のない日本ではしばしば1・5軍クラスのやりとりで終わることが多く、最重要な補強策と言うことは難しい。①の「有能な監督を持ってくる」は魅力ある案だが、チームを優勝に導いているバレンタイン監督(ロッテ)は在籍6年限り(2010年)での退陣が決定的で、やはり長期的なスパンでの補強策とは言えない。
こう考えていくと、長期的な戦略に適するのは④のドラフトしかない。最短7年でFA権を取得する可能性がある現在、ドラフトは以前ほど絶対的な補強策とは言えないが、過去10年間を振り返れば1回のドラフトで14人の新人選手(01年のオリックス)を獲得している例があり、極端な話をすればこの1回のドラフトでチームを大改造することが可能になる。たとえば、西武などは00年から04年まで次のような選手を指名し、現在の日本一チームの礎としている(○内数字はドラフト順位)。
◇00年......①大沼幸二、②三井浩二、③帆足和幸、④佐藤友亮、⑤中島裕之
◇01年......①細川亨、②中村剛也、③栗山巧
◇02年......②後藤武敏、③小野寺力
◇03年......⑦G.G.佐藤
◇04年......①涌井秀章、②片岡易之
こういう劇的な補強策は、獲得人数が制限されている外国人やFA権取得選手では望めない。ドラフトだからこそできるのである。このドラフトが日本のプロ野球界に導入されてから既に43年が過ぎた。過去にどのような出来事があったのか、そして現在、何が行われているのか。それを検証することによって未来に何が起こるのか考える、それがこの連載のメーンテーマである。
(写真)
いまや日本のエース級となった涌井秀章の横浜高校時代
この連載は第2・第4火曜日の更新です














