2月26日(金曜日)
馴染みの町を歩いておったら、
鯨料理の店が「わけあり本舗」という
ご婦人の靴と鞄を扱う店に替わっておった。
わけあり。
最近よう聞く言葉じゃのぉ。
「わけあり」と謳うだけで
商品の売り上げが違うとな。
ワシらが若い頃、
「わけあり」とは
こっそりと囁き合う言葉じゃった。
鄙びた温泉街に
うら若き美女がひとり
タクシーでやってきて、
仲居さんに案内され
部屋に通される。
陰のある美女、
寡黙な運転手、
落ち着きのない仲居。
「わけあり」には人生があった。
人気時代小説「隅田川御用帳」シリーズ(弊社刊)にも
「わけあり」で魅力的な登場人物が登場する。
お登勢さん......嗚呼、堪らん。
ところが、
今日日の「わけあり」は、
高級なものじゃが
ちょっと傷がついたので値下げした。
そんな意味らしい。
件の「わけあり本舗」の店頭には
ウォーキングシューズが山積みになっておった。
ポップには「私もおススメします!」と
太田裕美が微笑んでおった。
いつの世も
「わけなし」な女子はつまらぬが、
最近の「わけあり」な女子もいかがなものか、
なんて言ったら怒られるか。
(桟)














